「ミッドシップのビートだからこそ出来る排気の爆発振動をパイプ内での響かせる」方法のマフラー作り。
ミッドシップのビートはエキゾースト集合部分からマフラーまでの距離が短いことで、排気振動が強く残っています、その振動を積極的に利用する事で響かせる、という考えで管能サウンドマフラーは設計されています。
その響かせる部分になるのがタイコからテールエンドまでのパイプの区間。ここを共鳴に使うにはある程度の長さが必要になります。その為タイコの位置は車体側のマフラーフックの出来るだけ上位位置になり、テールエンドまでの長さを稼ぐことを必要としそれを意識をしてたレイアウトになっています。
ビートの排気音には沢山のノイズが含まれています、良い音作りにはこれをしっかり取り除く正確には聞こえなくする必要があります。
その方法はグラスウールと思われるかも知れませんが、それにはウールと接する面積を多くとってやる必要があり、せっかくの振動も失われてしまいます。
そこで管能サウンドマフラーのタイコは隔壁で仕切っている通常の作りではなく、タイコに更にもう一つのタイコ(小さい箱)と更にレゾネーターと称する排気振動を反発させるパーツを設けその中で反響させる事で排気振動の調律をさせています。
実際に使用しているグラスウールはわずかな量です。
パイプ内で響かせるといいましたが、ただパイプがストレートではそのまま真直ぐ抜けて出ていってしまいます。
振動を利用するということはあえて曲げをつけ排気に波をつけてあげるという事です。
パイプの曲げ角を最小限に抑え排気抵抗を抑え排気効率を上げパワーを出す。というのが理想的なマフラーの作りかも知れません。その昔有名マフラーメーカーさんが曲げ角最小をアピールした商品を展開していた事がありましたが、確かにそうなんでしょうけど。
フェラーリ用の各社・ショップ等のマフラーを見るとパイプ曲がっていますよね、あれは一見V8ミッドシップのマフラーをバンパー内で収める為に、と思われるかも知れません。
左右エキゾーストから最小曲げ角にするのであれば、ただタイコに入れてテールエンドにするだけで済みます。
そうしないのは曲げたり分岐してまた繋げて、その曲げがら曲げの距離と曲げ角組の合わせを作る事で各社オリジナルの音を作ろうとしているからです。
ただマフラーが直線的なのが理想としたら、何故あれほど曲げてあるのか?という事です。
パイプの曲げからその次の曲げに繋がるまでの長さと曲げ角の組み合わせが音作りの要になります。
こういった考えでマフラー作りをしています。
タイコで音が決まるわけでは無くパイプで作る事ができるのがミッドシップならではだと思います。